離婚届を役所に提出するだけで離婚は成立する?
Q:妻と話し合い、離婚することにしました。事情があって、とりあえず届出だけして、条件面の話し合いは後にしようと思いますが、それでも大丈夫でしょうか。
A:離婚は、離婚届を住所地あるいは本籍地の市役所や区役所に提出し受理されれば、法的に成立します。他の要件はありません。離婚届の受理により、婚姻関係にまつわる扶養義務、相続権、貞操保持義務などは消滅することになります。逆に言えば、いくら双方が合意しても、離婚届を役所に提出しない限り、離婚は有効になりません。
なお、離婚届には、未成年の子がいる場合に夫婦のどちらが親権者になるかを記載する必要がありますので、親権者に関する合意は、離婚すること自体に関する合意とともに、離婚届提出時までに成立していなければなりません。婚姻届同様、証人2名の署名押印も必要です。
離婚届提出時の注意ですが、本籍地でない役所に提出する場合は、夫婦の戸籍謄本が必要となります。また、国民年金加入者、国民健康保険加入者は、それぞれ年金手帳、被保険者証が必要となりますので、該当者はご準備ください。離婚届が戸籍に反映されるまでには、数日から2週間程度の時間が必要ですので、離婚届提出日に新しい戸籍謄本を入手することは一般にできません。
親権以外の事項、例えば慰謝料の有無や金額、養育費や財産分与の金額、子どもとの面接交渉のことなどは、離婚に当たり協議が必要な事項ではありますが、これらの合意が成立していなくても、先述のとおり、離婚自体は成立します。これらの項目は、もちろん離婚前にすべて合意しても構いませんが(その方が望ましいとは思いますが)、離婚後に協議を持ち越すこともできるのです。ただ、慰謝料には損害の事実と加害者を知った時から3年、財産分与は離婚時から2年という請求権の消滅時効がありますので、時効で権利が消滅しないよう、注意が必要です。

